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2008年10月14日

チェーンストア理論について



唐突ですが、

大型店の話をするたびに、商店街から客を奪った
と揶揄されることに少し疑問を抱いていました。

というのも、現在の商店街と郊外型大型店では客層も違うし、
販売しているモノもまるで違う気がするからなのです。

当初は大型店に客を取られているという声に対して特に疑問も無かったのですが、
正直な話、商店街の人たちが、「誰かのせいで自分たちが苦しんでいる」と口にする姿が
あんまり前向きではないという思いもありました。

しかして、ホントのところはどうかと勘ぐるに、
今ひとつわからない事だらけだったのですが
先日読んでいた本の中にあったチェーンストア理論に触れ、
すこしだけ謎が解けた気がしました。


さてさて、それで「チェーンストア理論」って何?
という話ですが、

①標準化された店舗による多店舗展開
②単純化による店舗運営のローコスト経営
③専門家集団である本部主導の経営体制
④規模の利益を追求する経営
⑤効率を追求する経営

これらをもとに多店舗チェーンによる利益追求が、
与えたメリットは以下のようになるそうです。

①セルフサービスの導入により人件費を下げることで消費者側も値下げによるメリットを享受
②大量仕入れにより生産を牽引し、仕入れ価格の値下げに伴う低価格化が可能
③新しい業態が店舗展開したために、業態間の価格競争が生まれ、物価が下がる消費のメリット
(ディスカウントストア、100円ショップなど)
④チェーンストアの拡大が労働の受け皿となり国民経済、地域経済に貢献
⑤卸売業の特約制度による地域限定の商品が全国どこでも入手可能になる消費のメリット

もちろんデメリットもあり、交通渋滞やゴミ問題、中心市街地の衰退などがそれに当たります。

具体的には1970年代にダイエーやイトーヨーカドーがスーパーマーケットという店舗形態で
このチェーンストア理論を推進実行して成功を収めています。
この成功をもとにチェーンストア理論はいろいろな業種、業態に広がっていき、
最近ではユニクロやサイゼリアがチェーンストア理論の成功事例なのだとか。

さらにどうなったかというと、チェーンストア展開する業態が増えると、
チェーンストア同士で類似性を持つようになります。
日本の郊外にあるショッピングエリアがどこに行っても同じ様な印象を受けるのは
まさにチェーンストア理論の結果といえるのではないでしょうか。

標準的なサービス、標準的な店舗面積、標準的な品揃え、標準的な言葉、印象、経営もそうなってしまいます。


長くなりましたが、日本の商業・流通がこの理論によって変化した時代があったということです。
大型店に客を取られたと聞くと、どうもしっくり来ませんが、
日本の商業が
「個人店舗」から「法人店舗」へ
「小規模」から「中・大型」へ
「業種」から「業態」へと変貌を遂げた
と考えると納得がいきます。

こう考えると「客を奪った」という表現はやはり相応しくない気がします。

さらに追求すると、
現在噴出している中心市街地からの不満を満たす
商業形態を模索する時期に来ているのだと思います。

資本主義社会において、利益の追求は国民経済全体を潤してきました。
それ自体は誰も否定できません。それはそれでよし!
しかし、人口に対する商業床の増加により、大規模店事態も苦しい経営になっています。

ならば中心市街地がもつ公共的役割を果たす店舗経営が必要なんじゃないでしょうか。

街の経営というと商店街全体(または一部の組合)で一括して行うキャンペーンや経費削減事業、
大型店やチェーン店のマーケティング手法や経営の効率化が大前提ですが
その結果、よく似た商店街が全国に誕生したのでは元の木阿弥。

やはり、最後には店舗一つ一つが持つ力(特徴やオリジナリティ)が大切なんじゃないでしょうか。


ああ、ホントに長くなりました。
駄文を最後まで読んでくださってありがとうございます。。。



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Posted by kozabox at 21:11│Comments(0)つぶやき
 
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